2014/07/05

山添の英語力補完計画~大学生・社会人のための英文読解攻略法~

▼8月3日の講演で配布予定の資料から、冒頭箇所をご紹介します。

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【1. Prologue:受験英語と実用英語】
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私は才能の乏しい人間だ。
こんな私にも何か正しいことが成し遂げられますように。
というのもそれは可能だからだ!そう私は信じる。
―惑わされることなく真っ直ぐでありたい!
価値あることはそこにこそ存在するのであろう。
―Ludwig Wittgenstein
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 「日本人は、中学・高校と6年間英語を勉強しているのに英語を話すことができない。これは読み書き重視の受験英語のせいだ」とよく言われます。そして、「受験英語は、わけのわからない文法やら難しい英文やらで、実用的ではなく、勉強しても役に立たない」という声も聞かれます。

 確かに、大学入試は読み書きが中心です。2006年度から大学入試センター試験でもリスニングが導入され、英語の4技能(Reading / Listening / Writing / Speaking)のうちSpeakingを除く3技能が問われるようにはなりましたが、今でも読み書き中心であることは否定できません。

 しかし、日常的にインターネットを使うようになった昨今においては、実際のところ、英会話よりもむしろ英語の文字情報に接する機会のほうが多くなったのではないでしょうか。

 ぼくは大学入試対策の英語の指導を生業としていますが、入試で出題される英文もインターネットの普及とともに大きく様変わりしてきました。

 第一に、かつては英語の書籍や雑誌、英字新聞からの出題だけであったのが、インターネット上の英文からの出題が年々増加している点です。かつては様々な学問分野の入門書から出題され、日常生活では欧米人でもあまり読むことがないであろう難解な英文(学者などの知識人が書いた英文)も多かったのですが、今では、大学によっては出題される英文の半分以上がインターネットから引用された英文であるというところもあります。つまり、英語圏の人々が日常的に接している英文が出題されるようになってきたのです。

 第二に、それに伴って、出題される英文の内容が多様になったという点です。書籍からの出題が中心だった時代には、出題者が入手できる範囲内の書籍で、かつ、高校の学習範囲内のものが選ばれたため、比較的似たような英文が出題されることが多く、いわゆる「頻出出典」と呼ばれる書籍からは同じ箇所が複数の大学で何度も何度も出題され続けました。

 ところが、インターネットが普及してからは、入試の素材となる英文がオンライン上に山ほど存在しているので、出題者の選択の幅も飛躍的に広がりました。また、かつては「時事英文」と呼ばれたニュース記事などからの出題も増え、「時事英文」という特別扱いをする必要がなくなったため、そのことば自体も既に死語となりました。

 その結果、受験生は、①英語圏の人々が日常的に接している、②最新のものも含めた多様なテーマの英文を読みこなす必要が生じました。これは同時に、いわゆる「受験英語」と「実用英語」との距離が縮まったことをも示しています。

 かつては一部の人々しか目にすることがなかった英字新聞や英語雑誌の内容が、いまではインターネットを通じて携帯電話でも手軽に読めるようになったのです。そして、いま、じぶんが読んでいる英文が、実はどこかの大学の入試で出題された問題文だったのかもしれないのです(もっとも、このような、「受験英語と実用英語の距離の縮減」は、インターネット普及前からある程度生じてはいました。たとえば、洋書の翻訳本のベストセラーからもかなりの数が大学入試で出題されています)。

 ところが、高校や大学を卒業してしまうと、英文の「読み方」を勉強できる場所は少なくなってしまい、結果的に大半の大学生・社会人が英文を正確に読む方法を身につけることなく、勉強しようとしてもどうすれば良いのかわからないというのが現状です。英会話学校は無数にありますが、大学生や社会人のための英文読解教室はほとんど無いに等しいためです。

 もちろん、多くの英文を読んでいくうちに「自然に」読み方を身につけられればそれに越したことはありません。しかしそれは、泳ぎ方を身につけるために我流で水の中でもがくのとよく似ています。

 今日の講演では、ぼくが普段、予備校・塾・高校で教えている英文読解の方法について説明し、それを実際の英文の中でどう活用しながら読んでいくのかを説明します。やや難しい内容もあるかもしれませんが、是非、この180分の講演の内容をマスターし、今後の英語の学習に役立てていただければと思います。

You can make it!!
君なら、できる!
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▼お申し込みは、以下のいずれかから。
① Facebookイベントページ
https://www.facebook.com/events/1437430453192898/?ref_dashboard_filter=upcoming

②Petix
http://peatix.com/event/40786

2014/06/15

「山添の英語力補完計画 ~大学生・社会人のための英文読解戦略~」開催決定!

「山添の英語力補完計画 ~大学生・社会人のための英文読解戦略~」開催決定!

詳細はこちら↓
http://peatix.com/event/40786

8月3日に名古屋で大学生・社会人向け英文読解セミナーを開催することになりました♪(*´∀`)

英語団体のThe MATE主催で、その運営に携わる学生さんからお話を頂戴しました。とても熱心に口説かれまして(笑)、そのお気持ちにお応えしたいと思い、今回、このようなかたちでの開催と相成りました。

こうした試みはぼくも初めてなので緊張していますが、きっと楽しく学んでいただけることと思います。是非、お申し込みください。また、周りで英語に興味のある方にお声かけいただきたくお願い申し上げます。

2013/06/30

What is Sociology?

先日、能開予備校岡山校で高校1年生を対象として配布した「学部・学科選びブックガイド」に掲載した原稿。

「100字前後で」と言われたのだが、書いているうちにどんどん増えていき、結局、こんな文章になったw

何しろ「社会学」は、一見わかりやすそうで、実のところまったくなんだかわからない学問でw、社会学者が100人いれば100通りの社会学が存在しかねないような曖昧模糊とした学問であるw
(;´д`)トホホ…

その中であえて「共通項」を見出すとすれば、「目に見えない"社会"なるものをいかにして言語化するか」ということではないか、と思うのだ。ところがこれだけだとなんのことやらさっぱりわからない。

…で、こんなに長くなったとw

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『社会学と文化人類学~「あたりまえ」を相対化する~』

ぼくたちは、社会の中で生きている。でも「社会」ってどうやったら目に見えるようになるんだろうか?そもそも「社会」ってどこにあるんだろうか?

社会学(sociology)とは、目に見えているけれど気づいていない「社会」なるものを、ことばを使って表現する試みのことだといえる。たとえば、統計を使って、社会の動向を把握し、それがなぜなのかを分析することも社会学の一つだし、もっとミクロなレベルでいえば、「おはよう」と言われた時に「おはよう」と返事をすることがどのようにしてなされているのかを記述することも社会学の一つだといえる。

後者の例をもっと詳しく考えると、たとえば「おはよう」という言葉に対しては一回だけ「おはよう」と言えば挨拶は成立する。仮に、A君が「おはよう」と言って、Bさんが「おはよう」と返したあと、A君がもう一度「おはよう」と言ったとしたら、おかしなことになるだろう。つまり、挨拶は「一往復」すれば成立するのだ。

だが、もしも、Bさんの「おはよう」があまりにも小声で聞こえなかったとしたら、A君がもう一度「おはよう」と言ってもおかしくはない。そうなると、先ほどの「一往復」という規則は必ずしも守られなくても済む。

このように、社会学の中には、人々が日常的に用いている「規則」に目を向ける学派がある。物理学などの自然科学は「法則定立科学」と呼ばれ、かりに法則に反する現象が見つかったらその法則が間違っていることになる。だが「規則」は、かりにそれに反する行為をしたとしても、その規則が間違っているわけではない。また、上の例でわかるように、「規則」はその都度、その場に応じて修正されて使われる。

そんな当たり前のことに対して、このように重箱の隅をつつくようなことをして何になるんだ?と思う人もいるかもしれない。だけど、ぼくたちがあたりまえに思っていることの中にこそ、じつは、とても複雑で、とても魅力的な宝物が隠されているし、目に見えてはいるけれど気づかれていない社会構造が、ふとした何気ない行為の中に現れるのを見つける喜びが、社会学の中には存在しているのだ。

このミクロな社会学の代表例の一つが「エスノメソドロジー(ethnomethodology)」と呼ばれる学派だ。これは比較的新しい学派で、日本では1980年代から注目され始めた(社会学の中ではどちらかといえば「異端児」ではあるけれど…)。

また、社会学を学ぶと、関連する諸学問についても学ぶ機会が必ず生じる。その中の一つが文化人類学(cultural anthropology)である。もともと、欧米がアジアやアフリカを植民地にする時、その土地の文化を知る必要から始まった学問で、最初は文献研究が中心だったが、いまではむしろ、そうした異文化を尊重し、その文化で実際に一定期間暮らしながらその文化を理解する「フィールドワーク」を必ず行うようになっている。

フィールドワークでは、文化人類学者はじぶんの文化の価値観をいったん棚上げにし、その文化で暮らす人々を「教師」として、その文化の価値観を尊重しながら学ぶ。このような立場は「文化相対主義(cultural relativism)」と呼ばれ、大学入試の英語、現代文、小論文でもよく問われている。文化相対主義の対立概念はエスノセントリズム(ethnocentrism:自民族中心主義)と呼ばれる。これは、自分の文化のモノサシで異文化を判断することだ。

考えてみれば、ぼくたちは常に異文化との接触の中で暮らしている。これはなにも、外国の文化と接するということだけではない。たとえば「オトナとコドモ」「男性と女性」も異文化同士だと考えられる。極端に言えば、じぶん以外の全ての人が異文化に属していると言えなくもない。

日常生活の中で、他者と衝突することがある。だが、そんなとき、相手の立場に立ってものを考えれば、ひょっとしたら解決の糸口が見つかるかもしれない。

社会学や文化人類学の考え方は、最初は取っ付きにくいかもしれないが、学んでいくうちに「ああ、なるほど」と思えてくる瞬間があり、じぶんが「あたりまえ」だと思っていることの中に、じつは落とし穴が潜んでいるのだ、ということに気がつくはずだ。まずは、ここに挙げたいくつかの本の中から好きなものを手に取って読んでみてほしい。全てを理解することは出来なくても、君の頭に何かピンとくるものがあるはずだ。

(文責:山添 玉基)

▼社会学の入門書・概説書
□ 稲葉 振一郎『社会学入門―“多元化する時代”をどう捉えるか』(NHKブックス・2009/06)
□ 浅野 智彦『図解 社会学のことが面白いほどわかる本―本当のことがホントにわかる!』 (中経出版・2002/5)
□ 奥井 智之『社会学』(東京大学出版会・2004/07)
→いずれも、気鋭の社会学者による入門書/概説書。社会学は公務員試験の問題にもなるので、将来、その対策にもなるだろう。
□ 宮台 真司『14歳からの社会学 ―これからの社会を生きる君に』(世界文化社・2008/11/11)
→社会学の入門書というより、社会学者の手による「社会の見方」をわかりやすく説いた本。

▼エスノメソドロジー関連
□ 前田 泰樹 (編集)・水川 喜文 (編集)・岡田 光弘『エスノメソドロジー―人びとの実践から学ぶ (ワードマップ)』(新曜社・2007/8/3)
→エスノメソドロジーの「入門書/概説書」ではあるけれど、内容は高度なので、まずは興味を持ったところから読んでみるといいだろう。

▼文化人類学関連
□ 祖父江 孝男『文化人類学入門』 (中公新書・1990/2)
□ 奥野 克巳・花渕 馨也『文化人類学のレッスン―フィールドからの出発』(学陽書房・2005/04)
→文化人類学の入門書。
□ 橋爪大三郎『はじめての構造主義』(講談社現代新書・1988/5/18)
→文化人類学者・レヴィ・ストロースが提唱した「構造主義」とは何か?を説いた刺激的な本。

2006/03/17

この講義が熱い!:吉川栄治先生(滋賀大学)

…と題して、私の恩師や知人の授業を不定期に紹介してみたいと思います。

元某大手予備校人気講師で、現在は滋賀大学教授の吉川栄治先生。

この先生の授業は、とにかく面白い。と言っても、派手なパフォーマンスがあるわけではなく、飄々とした語り口と、ウィットに富んだユーモア溢れる(時々下ネタも溢れる)授業です。

講義シラバスの文面を見ただけで、つい笑いが出てしまいます。

「授業の目的およびねらい:古代人・王朝人の人生と自然への心を歌にさぐる。日本人としてのアイデンティティを(みずからが喪失していることを)確認する授業である。全体の半分は講義、半分は模擬授業方式。講義の時間は教員の冗舌を堪能し、模擬授業の時間は教員の毒舌を浴びながら愉しく授業を進められる。精神修養として恰好の授業である。」

「授業の概要:ほとんど私が説明しても良いが、人生を甘く見るので時々模擬授業の形態をとる。」

ちゃんと授業してるのでしょうか(笑)。

吉川先生のホームページはこちらです。独特の「吉川ワールド」にどっぷり浸れます。

ちなみに、吉川先生が書かれた大学受験対策参考書は、現在は部数が少ないらしく、かなり希少ですので、今すぐにこちらからご注文下さい(笑)。

●基礎レベル:『古文が宇宙語でなくなる日』(中道館)

●応用レベル:『古文全天候バイブル』(中道館)