« Incredible!! | トップページ | In a grove. »

2013/03/17

A myth.

少し古い話になるが、社会学者・佐藤俊樹さんの『不平等社会日本』(中公新書、2000年)などに代表される、「中流崩壊」論についてふと思い出したので。
http://www.amazon.co.jp/%E4%B8%8D%E5%B9%B3%E7%AD%89%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E6%97%A5%E6%9C%AC%E2%80%95%E3%81%95%E3%82%88%E3%81%AA%E3%82%89%E7%B7%8F%E4%B8%AD%E6%B5%81-%E4%B8%AD%E5%85%AC%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E4%BD%90%E8%97%A4-%E4%BF%8A%E6%A8%B9/dp/4121015371

この「中流崩壊論争」は2000年ごろに雑誌「中央公論」で取り上げられたもので、「日本はそれまで一億総中流の社会だと考えられてきたが、それは実は見せ掛けである」という議論だ。

佐藤さんはまず、「中流階層=がんばれば上流に入れるかもしれない(という幻想を抱いている)階層」だと定義する。ここでいう「上流」とは、ホワイトカラー専門職/管理職のことである(以下、「W上」と略記)。たとえば、大手企業の部長クラス以上、あるいは国家公務員上級職がそれにあたる。

戦後日本はこれまで、「がんばれば上にあがって豊かになれる」という〈神話〉に基づいて発展してきた。だが、佐藤さんは、統計を使い、「実は、W上になっているのは、親もかつてW上だった場合が多い」ということを明らかにした。つまり、階層の移動が少ない、ということだ。

豊かな時代であれば、みんながそこそこ金を持ち、貧富の格差が見えにくくなる。だが、この15年ほどの間に景気がどんどん低迷し、階層移動も少なくなり、社会格差が顕在化した。格差が「拡大」したというよりもむしろ、それまでは気づかないふりをしてきた格差が目に見えるようになっただけである、というべきかもしれない。

« Incredible!! | トップページ | In a grove. »

「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« Incredible!! | トップページ | In a grove. »